新幹線のドアが閉まった。 そこには冬子が笑顔で涙を流しながら立っていた。 手を振っ...
二人は無言のまま残りの時間を過ごした。 冬子は思った。 時間が経っても変われないのは人間だ...
出発の朝。 またすぐに仕事があるのか、冬子はラフな出で立ちでホームに立っていた。 長い髪は綺麗...
冬子は休暇の日数があまりに短いことに今更気付いていた。 結局、自分のやりたいことはわからず終いだ...
「うん?」 冬子はいつの間にかカウンターの席に座って直之が持ってきた古い短歌集やら俳句の季語...
翌朝、冬子は盆の墓参りに来ていた。 両親も一緒だった。 「・・・さてと」 手を合わせ...
キッ!と、大げさな音を立てて自転車は止まった。 冬子が背負っていた重圧や責任、不安が、少し気...
冬子は驚く風でもなく返事を返した。 「そんな暇ない。そっちは?」 「俺も」 冬子は疲...
冬子はその涙を隠すように笑った。 「ナッちゃんがこっちで良い就職先見つけてくれればなぁ」 ...
花火が夜空に咲いても、返ってくる音は二人の居る丘には大して響かなかった。 直之は一本の缶ビー...