商店街が見えて来て、李遼はキヨを荷台から降ろし、わたしの鞄を手渡した。珍しくキヨは駄々もこねなか...
さっきまで、キヨを鬱陶しいと思っていた。李遼は、ほんとのわたしを知らない。 「あんたこそ。」...
学校帰りに弟のキヨを迎えに行くのは、遠回りになる。 保育園は商店街を抜けた、家とは真反対の高...
「何だぁ、このアマ! 痛い目みてぇのか!」 「何よ!あんたでしょ! あんな事書いて!...
「あら、そうだったの? ごめんね、ハルちゃん、 責めるようなこと言って 。お母さんに...
「離してよ。」 李遼の手を振りほどいたけど、もう逃げる気はなかった。 「ほんとに、無理しな...
「いいです。一人で帰り ます。」 また、ふらつく。しっかりしてよ、わたしの体! 「ほ...
いつの間に入って来たのか、人が立っている。 そして、わたしは、それが誰だかわかってしまった。...
「ハルったら、何で李な んかかまうのよ、木場に 目つけられちゃったじゃ ない。」 ...
その日は、朝からどしゃ降りの雨で、傘をさしていてもずぶ濡れになった。 わたしは、前の日からの...