その頃、山の反対側の麓に陣を張っている軍勢がいた。 自国の領土で、悪行を働いている敵国の軍勢に対し...
景虎には諜略にたけ、兵法に秀でた一人の武将が後ろ盾になっていた。 名は宇佐美定満。 越後の国で...
虎之助を追い抜き、走り始める 虎之助は小一郎が懸命に走っている姿を見、悲しみと弟に対しての誇りに胸...
戦。 これが戦なんだ。 憧れていた華やかさなど微塵もない。あるのは血の匂いと燃える炎。 これが戦...
しばらく二人はその場に佇んでいた。 喉が痛い…火の粉で焼けたな。 都合のいいことに、せせらぎが聞...
越後の長尾家当主為景が戦で討ち死にして、長男の晴景が当主になったのだ。 が、器量も人望も無く、父為...
「裏山に逃げよう」 小一郎の声が震える。 村のすぐ傍に小高い山がある。その山を越えて左に行けば...
虎之助の父佐吉は、元々侍大将だったが、戦で受けた傷が元で足が悪くなり、暇を貰って虎之助が生まれる十...
ある真夏の暑い日、村から十里ほど離れた場所で戦が始まった。 小競り合いは何回かあったが、今回はかな...