そっと首に当たっているナイフに手を添える。男が訝しむ前に、素早く想像の力を使ってそれを子供が遊ぶよ...
美香たちが目的地に辿り着いた時、辺りはやけに静かだった。 赤いサボテンは緑のサボテンに比べるとず...
「……ハハッ!ハハハ……。」 乾いた笑い声が、誰もいなくなった空き地に響いた。――否、誰もいない...
ジーナが不意に声を立てて笑い出したため、サハールの荒くれ者たちは少なからずぎょっとした。気が触れた...
それからしばらく打ち合いを続けている内に、遥か背後に感じていた相当数の人間の気配は、ジーナを包み込...
唯一左手に立つ壮年の男だけがどっしりと冷静に構えていて、幅広の剣を持っていない方の手で、ジーナに斬...
王子は構わず続けた。 「美香ちゃんが助けてくれなかったら、僕は死んでいたかもしれない。」 「…...
それは逆光のため、黒い影の怪物にしか見えなかった。とてつもなく巨大で、二本の大きさの違う太い腕を持...
振り返ると、王子が尻餅をついた所だった。見れば王子の前に立っているのは、筋肉の盛り上がった大柄な男...
ジーナは諭すように美香の両肩に手を置いた。 「お前に戦いは無理だ。それは自分が一番よくわかってい...