目の前の病室のドアが振動でガタガタ鳴り、今にも壁ごと飛んで来そうだ。 美里はまた必死で走り出し...
「 ギヤーッ !!」 美里は喉が千切れんばかりの声で叫んでいた。 と、赤いそれは、こっ...
こちらを向いたそれは、 ″ビチョッ ビチョッ″と嫌な音をたてていた。 それが動く度、自分の...
少しして痛みが薄れていったのか、それとも変になったのか、美里は放心状態の様に立ちすくんでいた。 ...
美里が独房の床にペタンとへたり込んだまま、何か ブツブツ言うようになり、時折、″キー キー″と言っ...
美里はうなされていた。 夢の中で懸命に言い訳をしていた… 「…カア…サ…ン、僕ト一緒ニ…イテヨ...
「…母さ…ん、…お…母…さん…」 美里はかすかな声で目が覚めた。 また汗びっしょりだ…。 ...
クリスマス・ソングが流れている街を通り、美里は2日ぶりに家に戻った。 いつも「お母さん」と小走...
12月23日 正午 この2週間位の間、昇太はご飯を食べさせて貰っていなかった。街ではクリスマ...
2日程経って、美里は学校の担任の佐伯に呼び出された。 「数日前、昇太君が左目の横にアザを作って、...