「松下君。君、来月から移動になるから。詳細は辞令後に」 とだけ、言い残して山口部長は得意先へ急い...
哀愁漂う小さな背中 白髪の増えた頭には 僕をかばって付けた傷跡が 今も消えずに残ってる ...
桜井からメールを受け取った翌日、上杉はある会議室にいた。 広報のメンバーとのミーティングだ。 ...
亜紀は気がつくと、温かくて大きな背中に抱かれていた。 懐かしいにおいがする。幼い頃の光景が大粒の...
7番席にはもう誰もいなかった。 ‥あの子、帰ったのかな‥ 上杉は何かを期待した自分が少...
肌寒くなったある日上杉はいつものネットカフェに立ち寄った。 店内は静まり返り、静かな音楽が流...
人生でたった一度でも人をこんなに好きなれたなら‥どんなに素敵なことだろう 美咲はそんな恋になると...
5m程もある木製の大きな自動扉が開く。 汐留にある瀟洒なこのホテルは、二人の思い出の場所でもあっ...
不倫‥ みなこの響きに眉をひそめる。 やってはいけないこと‥そう‥頭では分かっていても...
〜つづき〜 『赤い扉』 麻生は夢をみていた。 どこまでも続く暗闇の果てから、眩しい光...