金の髪が柔らかく舞っている。 あどけない笑顔はたった一人のもの。 彼女が差し出した手を彼...
「何で泣くの?」 「…泣いて…んかっ……ない…痛っ…!」 途切れ途切れ言った言葉はリア本人で...
「リア?」 「え……?」 「どうかした?」 レクスの呼びかけに我に帰る。 「何でもな...
白い腕はリアを掴むことなく地面に落ちた。 リアと似た金の髪が肩から滑り落ちる。 「―――...
レクスがリアを離したのは、それからしばらくしてからだった。 突然何かと思い目を向けると、レクス...
「叔母様から何も聞かされてないんだ。」 レクスは独り言のような小さな声で言った。 リアの執事...
あれから三日が経った。 「何であなたがここにいるの?」 「しょうがないじゃん。叔母様の命令だ...
レクスはまだ大広間の中にいた。 しかし誰とも話さず、考え事に更けっていた。 あの時……。...
「母さん…どこに行っちゃうの?一人にしないで!行かないで!」 小さな手は虚しく空を切る。 ...
しゃがみこんでじっとしていたリアを、そっと温かいものが包み込んだ。 「…ゼイル?」 肩に...