「秀は、俺の兄貴」 「……………………………………………はいっ?」 「初めまして、龍太郎の双子...
「いらっしゃい、依代さん」 そう言って出迎えてくれたのは、これまた田舎に不似合いな青年だった。...
和洋を問わずに鉢植えに植わっている、サルビア、キキョウ、ダリア、ヒャクニチソウ、鳳仙花、立ち葵な...
― 恐ろしくその場に不似合いな男である。 山男はにかっといたずらっぽい笑顔を浮かべると、己の背...
ギギィ―……… 不意に錆びれた鉄が擦り合う様な音をたてて、門が開いた。 依代は驚いて...
… 出来れば、いやというよりもむしろ入りたくない? 「…ね、猫さぁ〜ん、そこの綺麗な毛並をした、...
「っもう?何処に行く気だよ?」 ― 急な山道に、依代はすぐに息をきらした。 そんな依代を待つ...
「あぁ?あたしの帽子?」 依子代は声を上げて猫を捕まえようとしたが、猫は依代の腕をすり抜けて、...
不意に、背後から不思議な声が聞こえた。 振り向こうにも、体が動かない…。 最後に見たのは...
― ここはどこだろう。 金やら銀やら、何やらきらきらしい裟の様なモノが、いくつも舞っている。 ...