美しい音だった。 年代物のギターから生まれる濁りの無い歪みが自由を叫ぶ。 私は、止まり木のいつも...
8) チンピラ。 正に、その言葉が相応しい。 一瞬でも愛梨が愛した男ならもっと凜としていて欲し...
7) 『テキーラサンライズ?最近、良く顔出すね』 止まり木に座るサラリーマン風の男が此方を見て微...
『何処に行ってたの?学校から連絡があったわよ。近頃どうしたの?何が不満なのよ!』 帰宅するなり叱責...
5) 客が、ジワジワと増えて私は止まり木を立った。 BARを出るとネオンの周りに羽虫が群れていた...
4) ロックグラス、ショットグラス、カクテルグラス…次々に磨かれ美しく光る透明なグラスがカウンター...
繁華街を抜けた頃には美佳の姿は無かった。 カラカラに成った喉の辺りを掌で擦ると不快な汗が指先に絡み...
2) 翌日私は、淳を見つけるなりその右頬を張った。 『最低の奴、アンタなんか死ねば良いのに』 ...
? 手首の傷痕を眺める。 無意味な勲章。 自分を取り戻す為の自傷行為。 ただ、叫ぶ術を持たな...