フェンリは、少しだけ下から私を見つめた。私は心を鎮め、フェンリを見下ろした。フェンリは少し間を置い...
フェンリの指差すほうを見ると、道が消えているのが見えた。 「あ-…まずいな」 私は呟い...
「どうも解せないが…仕方ない、右に進もう」 私はフェンリに合図した。 「りょーかい」 ...
「うわあ…涼しいな」 フェンリは、私の数メートル先で一回転し、辺りを見回した。 「…ア...
「あっ、チルビノってあれかな?」 フェンリは遠くに見える小さな集落を指差した。 「ああ...
「一先ず今日はベラ湿原の入口にあるチルビノまで行こう。今から急げば、夜には着く」 「そーだね...
コイだとかアイだとかいう気持ちは 何故かいつの間にか 私の体を、私の精神を支配し尽くし...
「リヒネは、この沿岸都市レキンザから、南東に進んだ先にある。途中、ベラ湿原を越え、更にノースリヒネ...
「なんだよ、ダニエル」 フェンリは男に向かって言った。男--ダニエルは、冷めた表情で、目線だ...
「アッシェン。聞いてる?」 私ははっと顔を上げた。小柄な金髪の少年が私を見つめている。 ...