弓を構え、私は、矢の代わりにつがえている箒を持つ手に神経を集中させた。 身体中の気が手に集まって...
櫻井君の機械が発した音で、どうやら、山下さんに取り憑いていた霊は、離れたようであった。 しかし、...
飛んできた紫色の靄は、香取君に当たった筈であった。だが、香取君は、何事も無かったかのように、そこに...
吹き付ける風に押されつつも、香取君は、山下さんの居る方向に歩みよっていく。 「…クルナ…アッチヘ...
奥の部屋は、何かの資料を保管しておく倉庫のようであった。 窓は曇りガラスになっているうえに、外の...
「山下さんが助けを求めてる…。いかなくちゃ…。」 香取君は、体の痛む場所を抑えながら、奥の部屋へ...
なつきさんを呼びに行った高野さんが戻ってくるまでには、まだ時間が掛かるだろう。その間、私はこの状況...
「多分、あれは、人に取り憑くタイプの霊だと思う。何とかそれを切り離して、浄化しないといけないんだけ...
高野さんが走り去っていったのを見届けたのち、私たちは、意識が朦朧としている香取君を、二人で両脇から...
「ホント…何がなんだか…わかんない…。ねえ、あれ、何?今、何が起こってるの?」 高野さんは、取り...