退職の日。 黒い帯の入った婦長のナースキャップを戴いた涼子が、深々と頭を下げる。 「吉村婦長。...
あとどれくらい、生きられるのかわからない。 だけど、もう手術は受けない。 両の乳房を喪い、放射...
私のそんな思いを察して、コウはわざと帰りたくないと言ってくれたのかも知れない。 コウはいつだって...
? 最近では、学校が休みになる、金曜日の夕方から日曜日の夜まで、コウは私のア...
「おかしいです。スッゴクおかしいですよ、婦長。でも、恋なんておかしなものじゃないんですか?それに、...
私はその場にいたたまれなくなって、コウの手を引いてマクドナルドから飛び出した。 駅前の花時計の前...
「あっ!それ、私のアイスコーヒー…」 もちろんアイスコーヒーなんてどうでもいいのだけれど、コウの...
コウが頷いた。 頭の良い彼の事だから、私の小さな嘘はお見通しだろうけど。 「わかったよ。ごめん...
コウとの待ち合わせは、いつも駅前のマクドナルド。 学生時代にはよく利用したマクドナルドも、この歳...
この前よりもゆったりとした動作で、傷痕に沿って指先を滑らせる。 唇で愛撫していく。 なんて気持...