週の3日から4日は塚本はその施設へ通うようにしたが、 彼女は雨の日もお構いなく、裸足で傘を差さず...
何もない駅に降ろされ、薄暗い山の中を、途方にくれつつ、線路伝いに歩き始めた。 少しずつ…少しずつ...
「ふぅ…。」 ため息をつきながら、車窓に目をやった。 見えるのは山間のみ。 木々が自らよけて...
どの位、時間がたったのだろう…。 乗り換え案内の車内放送で目を覚ました。 寝ぼけ眼で辺りを見回...
「……」目覚ましが鳴る前に目が覚めた。 いつもなら目覚ましの音にイラつきながら、重だるい体を無理...
久しぶりに聞く声だった。 なんだか、懐かしく、 こころすり抜けるような、 柔らかく、透き通る...
昨日、彼女がいた場所からはまだ遠い、 扉からも少し離れた芝生の上で、 塚本は座り込み、デッキか...
翌朝、塚本は昨日より早く家を出た。 手には、CDを聞ける音楽機器を持って。 「これをあの子...
「僕も何度か彼女に話しかけてみました。 彼女以外の子供たちにもです。 でも、僕には何もすること...
まるで野性の動物が相手を警戒するかのような目つきで、少女はこちらを見た。 そしてすぐに、何歩か後...