谷岡病院の調理場。 由梨絵の職場である。 慌ただしい配膳を終わらせ休憩していた由梨絵に同僚が...
僕の部屋には扉が無い。 あるのは、真っ白な部屋に真っ白な机とベッドと小さな窓がひとつ。...
【ライン】 目を開けると、暗闇の中をラインだけが見えた。 そのラインに沿って歩いた。 ...
喜美はカレンダーを見ていた。 由梨絵と出会ってまだ10日程しか経っていない。 喜美は自分を人...
「本当に遅くなってしまった…」 私の腕時計は23:00になっていた。 タクシーに乗り込み、喜美の...
喜美の疑問を察知した様に 「主人、笑ってないでしょう?これは余命を宣告された後の写真なの。それまで...
時計が4時を過ぎた頃、由梨絵は帰り支度を始めた。 玄関の外まで見送ると、由梨絵は振り向いて、「良か...
由梨絵を居間に通すと喜美は急いで着替えた。 「慌てないで、ゆっくりで良いから。」 由梨絵は焦...
久しぶりに楽しそうな喜美を見て、私は由梨絵に感謝した。 「今度の日曜日か…あっ!…喜美、俺は明...
会社から帰ると待ってましたとばかりに喜美が話し始めた。 「ねぇ、あの方ね、あ…由梨絵さんって依...