ももちゃんは、まるでアイスとケーキのどちらが好き?と聞かれているかのように、まるい目をくるくるさせ...
「春」というものは、美しく暖かいものでしょうか? いいえ、そんな日ばかりとは限りません。時には、...
ぼくのなまえは「みらい」。 おかあさん がつけてくれたなまえなんだ。 ぼく...
桜。 その風景を表現するべき言葉にはそれが相応しいだろう。 車を降りた二人は桜の中を歩...
空を見ると思い出す… ―あなたは幸せでしたか? 半年前、私の父は死んだ。 ガンで死ん...
それからほんの数分後だった。 信号が青になった横断歩道を、彼女は跳ねるように渡っていた。 ...
次の日、この事故は新聞にもテレビにも載らなかった。 実際僕はそんな気力すらなく、新聞もテレビ...
ありは、きりぎりすのヴァイオリンを聴きながら、懸命に働いていた若き日を思い出し、目尻に涙を浮かべ...
きりぎりすは、話を聞いてすぐにありの元へ駆け付けた。右手にヴァイオリンを持ち、もう片方の手は杖を...
それから長い長い年月が過ぎた。いくつもの冬を越して来たことだろう。ありもきりぎりすも、すっかり年...