「私の家と私と、どっちが嫌い?」 保育園児のさとちゃんと、高校生である私との共通話題は限りなく少...
「私のこと、嫌い?」 「うん、嫌い」 …がーん。 ワンテンポ遅れて衝撃がきた。と同時に、なん...
「幻界…幻の国って事?」 「いや、手っ取り早く言えば、我々〈四神〉のような連中の本拠...
バアちゃんに通された部屋で、ボクとその男はしばらく黙っていた。ボクは、その内に先生の方が先に喋りか...
カーテンを開け放つと、窓の外にどこまでも青い空が広がっていた。 早春の澄んだ空気...
月を見る度思い出す。あの時を…。ある夜、僕はいつも通りにコンビニで缶コーヒーとアンパンと雑誌を買っ...
『ねぇ』 体を揺すられる。 赤実『…………』 『いい加減起きたら?』...
「随分寒く成ってきましたね」 「雪が降ってますよ」 道端で、向かい側から歩いて来た近所の、...
血塗れの彼を馬車に運んで傷の手当てを始めた。傷口を消毒して包帯を巻いて、助かって欲しい一心で皆が祈...
今日でこの街を去る…今度は何処の街に行くのかな…心の中で呟く。揺ら揺らと馬車に揺られ、外の景色を眺...