落鮎の我は気づかず色変はる 懐きつつ何も持たぬといふ花野 振り返ることな...
桃の実や頬染めぬればお嫁さん 心地よき調べ奏でし秋の声 やるせなき思ひ...
芽が顔を出すと 摘んでしまう 成長を許したら 育ってしまう それは未知の光景で ...
きりぎりす鳴いて捧ぐるこころかな 霧煙る道の中あり景色あり 月光のふぅと...
ひんがしの都の寺の木槿かな 赤蜻蛉西の暮れゆく空にゆけ 萩咲きて我に先祖...
梨食ひて訪ねゆけるや幼き日 如是我聞文殊や泣きて流れ星 突き当たり右に曲...
椋鳥の夕暮れ時の飛行かな 蓑虫や笑ふことなる濡れ鼠 移り気な我に似たるや...
空を見上げて思うのです 彼らのことを 置いていかれたと思って 私も連れていってと 何度も...
亡きことを無きと言わむんや秋の風 啄木鳥や風に乗りたり古木の精 むしむしとしたるや夜の轡...
人って間違えながら、失敗しながらもそのつど立ち上がって前に向かって生きている 生きてい...