放課後。
教室を後に校庭に向かう4人。
「さ…桜さんっ!!」
聞き慣れない声に振り向く4人の前に、見知らぬ男が目に飛び込む。
真也「また…か」
研二「みんなこりないね。」
洋治「これで…何人目?」
この情景に4人は慣れた応答をする。
「あ…あのっ」
男は言葉を詰まらせる。
真也「ナツキ、俺ら先行ってるナ」
真也は軽く手を振りその場を去る。
洋治「勇気だけは認めるよっ」
研二「気を落とさずに…ねっ!」
洋治と研二は一言ずつ言い放ち、男の肩をポンっと叩くと真也の後を追う。
ナツキは3人を見送ると、再度振り返り、男に向かって微笑んだ。
「俺…あっあの」
「B組の…原田…原田英紀っていいます!!」
夏希「原田くん」
原田「急にごめん。」
夏希「いえ♪」
緊張しているのか、少し強張った原田に対し、ナツキは終始笑顔で対応する。
原田「お願いが…あります!」
夏希「?」
原田「もし…嫌ならいんです。もしも良かったら…」
原田は一旦視線を落とし拳に力を入れると、勢い良くナツキに視線を向けた。
原田「友達になってください!」
言い切ると再び俯いてしまう。
夏希「はい☆」
原田「えっ…」
聞き返す原田。
夏希「友達…ナロ☆」
原田「本当に?いや…無理しなくても…」
夏希は少し困った顔で首を傾げる。
原田「ぢゃあ…おはようとか声かけたり…A組行ったりしても…」
夏希「うん!?友達なら…」
予想とは違ったナツキの返答に、原田は戸惑いつつも質問を続ける。
原田「ぢゃぢゃあ!放課後遊びに…うわっ俺、調子のってますね…ごめん…」
夏希「今度…原田クンが暇な時は誘ってね!みんなであそぼっ」
原田「はいっってか!俺、毎日暇なんでいつでもっ」
少し笑ってしまうナツキ。
夏希「でも友達だから敬語はナシねっ」
原田「あっごめん」
夏希「ぢゃあ…みんな待ってるし、また明日☆」
ナツキは笑顔のまま背を向けた。