某日、某国の、あるBARで…
店内にはカントリーミュージックと、カードをシャッフリングする音が混ざり合って、のんびりとした午後を演出している。
そろそろ行くとするか…ここの空気は俺には不釣り合いだ。酒がまずくなっちまう…
俺はゆっくりと席を立ち勘定を済ませるため、カウンターへ向かった。
歩幅は一歩ずつ広くとる、背筋はぴんと伸ばし、余裕を持って歩く。
周りの奴らの目線が俺を見ている…
みんな俺のただならぬ気配にビビってやがるのさ…
カウンターにつき、店主に代金を聞く。
「八千ロイです」店主は俺を見上げて言う。
八千…すこし高額だな…俺はポケットに手を伸ばし、手探りで持ち金を確かめる。
………
確かめる
………
もう一度確かめる
………
どうやら金が少しばかり足りないようだ…
さぁて、どうしたものか…
店内は相変わらずカントリーミュージックが流れていた。