「キャーーッ!!」
女子どもの黄色い歓喜の悲鳴が学園に響きわたる。
「東城院さまーーっ!」東城院サマと書かれた旗を持った女たちが我先にと、押し寄せてきた。
やれやれ…手でも振ってやるか…
ばったばったと女どもが倒れていき、中には白目を剥いている者までいる始末。
やはり僕の美貌は罪か…僕が歩けば道が割れ、いつの間にか女共を虜にしている。
つくづく罪な男だ…
女の大群を抜け、下駄箱にたどり着く。
中を開くといつものように、恋文が津波のように押し寄せてくる。
やれやれ…
僕は一枚一枚丁寧に広い、教室へ向かう。
…五分遅刻か
教室へ入るなり、一同の視線を独り占めにする。
先生はにやにやして僕に近づくなり言う。
「東城院君、どうして遅れたんだい?」
はい先生、女の子たちに挨拶をしていたら遅れてしまいました。
いつも通りの答え
先生は「それは大変だったね、座りなさい」
どうせ僕の親父には頭が上がらないんだろ?
もはや僕に怖いものなどない…
僕がクロと言えば、シロもクロになる。
親父の学校へ転入してから一ヶ月、早くもこの学校の頂点に立った…
しかし…いささか退屈だな…
毎日ちやほやされるのも飽きた…