『ねぇ、色白七難隠すって言葉知ってる?』たまたま家の近所で偶然会った友人のノンの質問にミズキは、さぁ〜の一言で返した。その返事にノンはカチンときたのか熱く語り始めた。『色白七難隠すって言葉の意味は、たとえ顔のパーツが悪くてブスに見えても、肌の色が白くて綺麗であれば、ブスな顔も綺麗に見えるって意味だよ!』と丁寧に教えてくれたが、ミズキは、『フ〜ン、そうなんだぁ』の一言で終わらせようとしたが、ノンがそれでは終わらせてはくれず喋り続けた。『ミズキは、顔のパーツは悪くないんだよね。ただ肌が荒れすぎなんだよ。肌を良くして、ちょっと体重さえ落とせば、彼氏もできて良いんだよね〜』とノンの言葉にミズキは、さすがB型女!思ったことなんでも口に出しやがる!と心の中で思ったが口に出すのはやめて、めんどくさかったので『そうだね』の愛想笑いですませた。
ミズキは家に帰ると、さっそく部屋にあるスナック菓子を適当に食べ、布団の上にゴロンと横たわっているうちに寝てしまった。時間かしばらく経って目が覚めると、すでに夜12時を回ろうとしている。そんなことはどうでもよく、多少、頭と体が痒くなったので、お風呂にでもはいろうと思い、風呂場の脱衣所にいき、服を脱いで目の前を見ると全身を写す、等身大の鏡がある。おせじでは自分でもいいがたいがなんとも、醜い姿に見えて仕方ない。しばらく自分の姿を見ていると鏡から『お前、少しは痩せろよ』といわれている気がして、瞬間的に鏡から目をそらすと、足元には体重計がある。今、自分がいったい何キロなのかさえわからない。わかるのは以前より絶対的に太っていること。体重計をみている内に体重計に『乗ってみたら?』といわれている気になり、フンッといった表情をし風呂場の中に入った。
お風呂から上がるなりミズキは、すぐに布団の上にまた、ゴロンと横たわって、部屋を見渡した。この部屋はいつ掃除をしたのだろう?というぐらいゴミが散乱し、服だってぬぎっぱなし。布団だっていつ干したかさえわからない。布団の上には、お菓子の食べカスや抜けた髪の毛やフケがあちこちにあり手や足を動かすだけでざらつくのでその汚さがよくわかる。そんな事はおかまいなしにしばらくすると、ミズキはまた眠りについてしまった。
ようやく、目が覚めるとミズキはある体の異変に気付いてハッとし目が覚めた…