GAの巨大な張り手がが振ってくる。
「うおぉっ!!」
龍一は無理矢理身体をひねり、転がした。
「ガフッ!」
【ドッンッ!!】
地面からの衝撃と風圧を背中に感じながら、龍一はまるで人形のように校庭の方へと吹き飛ばされた。
「がっ‥‥!」
もちろん、受け身をする余裕などなく、身体で地面を受けとめる。
冷たい校庭の土を頬に擦り付けながら、龍一は思った。
(死ぬ)
GAがまた、こちらにばっくりと口をあけ、睨んでいる。
(勝つとか負けるとかそんなんじゃない。勝負にならない。殺される。食われる)
龍一は、腕に力を入れてみた。まるで峠を越えたかのように、さっきの異変はやわらいでいた。
「ガッフ、ガッフ。」
【ズン‥ズン‥】
(いやだ。死にたくない。やっぱり。死にたくはない。死ぬのは、恐い‥‥)
窮地に陥った龍一の、心の底からの本音だった。
(何とか逃げる事ぐらいはできる。逃げろ‥‥逃げろ‥‥逃げろ‥!‥逃げろ!!)
龍一は必死の思いで立ち上がった。
もちろん、逃げるために。
「ガフ?」
【ズ‥‥】
それとほぼ同時だった。
GAが立ち止まったのは。