カシャーン、カシャーン…
鉄の音が街に響き渡る…
銀の鎧を纏った者達が数人、城に向かって練り歩く…
ここは帝国エウ゛ァンス…
帝王の名はガルーザ・エウ゛ァンス。
この時、王国ルザーンとの戦が始まろうとしていた...
城、帝王の間...
ロン「帝王!ルザーンが動き出しました。」
帝王「そうか…遂に来たか…」
ロン「どうしますか?そろそろ我々も…」
帝王「…そう慌てるな。ワシからの合図が出るまで手を出すなよ。」
ロン「しかし…クッ…わかりました…」
何かを言おうとしたが、ロンは部屋を後にした。
城、帝王の間ローカ...
男「あれ?ロンじゃないか!どうしたんだよ、シケタ面して。」
シケタ面していたロンに男が話しかけてきた…
ロン「あぁ…リザラーか…」
彼は、帝王の息子の名だ。
リザラー「親父の合図待ちか?」ロンに尋ねた。
ロン「あぁ…そうだリザラー、防帝軍に入ってくれ!!そうすれば…」
話しの途中でリザラーが割った。リザラー「俺は入んねぇよ。自由にやりてぇんだ。」
ロンが鼻で笑う。
ロン「フン…お前らしいな。」
リザラーの肩をポンと叩き、ロンは城を後にした。
リザラーとロンは幼馴染みで、何をするにも一緒だった。
でも今は…
城の窓に、無数の太陽の光が射し込む…晴天だ。
リザラーは街にいた。
女「リザラー!?」
誰かが呼んだ。
振り返るリザラー。
リザラー「おぉ、フリージア!」彼女の名はフリージア、リザラーの友人である。
リザラー「どうしたよ、息きらして…」
フリージア「うん、鍛冶屋のおじさんがこれを…」
そう言うと赤い布にくるまった物を渡した。
リザラーはそれをそっと開ける…そこには、両手で持つ剣、いわば刀だ。
鞘から抜くと、それはダイヤよりも美しい輝きを放った。
リザラー「サンキュ!!」
去ろうとしたリザラーを呼び止めるフリージア。
フリージア「ねぇ、やっぱりルザーンとの…」
すかさず答える。
リザラー「親父にも、ロンにも内緒だぜ!」
フリージア「うん…なら私も、自由騎士として戦うわ!!」
リザラー「ありがたいね!力を貸してくれな。」
フリージアに優しく尋ねた。
ゆっくり頷くフリージアに笑顔でリザラーは答えた。
その夜...
酒場で一人酒を浴びるリザラー。と、その時…
つづく...