晶が操って盾にした人はバタリと床に倒れた。
「晶・・・てめぇ!」
啓吾は晶の方に走っていく。そして、晶の顔に拳をぶつけてやろうとしてがそれを晶は軽々と避けた。啓吾は何回も拳を振るが、全て晶にかわされている。
「御前!人をよく平気で自分の盾になんかできるな!」
「人を操るのが僕の能力だからね。あの人は僕の駒だよ」
「ふざけるなっ!そんな能力捨てちまえ!」
啓吾は思いっきり右手を振った。だが、晶は啓吾の拳を右手でつかんだ。
「キミに指図されたくないね・・・」
グサッ・・・
「うっ・・・」
後ろからいきなり啓吾は腹を刺された。啓吾を刺したのは、晶が操った村人だ。啓吾はガクッと膝をついた。
「人を操るのが楽しいんだよ!楽しいことをそんな簡単には止められないね!」
すると、啓吾の周りを操られた村人達に囲まれた。どの人も手に刃物を持っている。
「いけっ!アイツを殺せっ!!」
村の人々は一斉に啓吾の方に向かって走ってくる。啓吾は傷が痛んで動くことが出来なかった。啓吾は強く目を閉じた。