ワガハイは猫じゃねぇ。ワカパイでもねぇ。犬だ。なのに、ご主人の野郎、毎日毎日ムチャ言いくさりよる。
「ひろし、ひろし。ニャーと言ってごらん。ほれ、ニャーって可愛く……」
「ワン、ワン? ワン、ワン?」
たけし君は、我輩を蹴飛ばしやがった。我輩は犬小屋にゲキトツした。
「このおバカ! 誰が犬のマネしろって言ったんだよ! もう、ひろしは、今晩、メシ抜きだかんね! 反省しなさい!」
「くぅぅん……」
我輩は犬小屋の中でうなだれた。お月様が笑う。ムカついてきたので、我輩は、たけし君につけられた猫耳を外し叩きつけた。