僕の名前はケン。
こぐまのケンだ。
小さい時に母さんが超極悪マウンテンゴリラのザンビに殺されて以来、今まで一人というか一匹で生きてきた。すべては母さんの敵をとるため…。この世界のどこかにまだ生きているザンビを必ず僕の手で殺してやる！！
今僕が到着したところはイトゥリの森というコンゴとウガンダの国境沿いにある森だ。住み慣れたキサンガニの地を離れて二か月かけてやって来た。目撃情報によると、ザンビはかつて東北東に向かっていったというハナシだった。
とにかくザンビの手掛かりを探すために、僕はいろいろな動物から情報を仕入れようとした。
森に入ってすぐに体中にまとわりつくような視線を感じた。四方から睨み付けられているカンジだ。初めて来る土地、どんな危険があるか分からないので慎重に進むコトにした。
３０分くらい森の中を歩いただろうか、さっきの視線をまだ感じつつも僕はある異変に気付いた。
ここは森、いわば動物の楽園ともいえる場所なのに、さっきから一匹の動物とも遭遇していない。鳥ですら見つからないのだから何かおかしい…どうしたんだろう？？
と、その時だった！！ふと高いところから何かがたくさん飛び下りる音がしたと思うや否や僕はたくさんの何かに囲まれていた。
暗くてよく見えないが、その何かは僕を取り囲む円を小さくしながら徐々に迫りよってきた。そして一瞬、木漏れ日がその何かを照らし出したのを僕は見逃さなかった。
それは………
続く
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