「連れて来たよ・・シノ君・・かな?」
「シノで結構です!」
露骨に怒っている
連れて来られたのは初老の女性
「可愛いですねシノさん」
シノは困った顔をしている
「シノさんついて来てまぁゆっくり話しましょう」
街の中を歩いている時女性は
「そのコートを見た時はびっくりしましたよ。と言ってもその子のお母さんは今病気なんだけど」
「そのお母さんに謝りたいんです」
「それは無理かも知れないよ」女性が口を濁した。
「最近と言っても半年ぐらい前から具合が悪くなって息子も帰って来ないから
周りに八つ当たりを起こしたり物を投げつけたりして大変なんだよ」
当のシノはどうして良いのかわからず考え込んでいると
「まぁ良いよ大体の事情は分かったから・・後はこっちで何とかしとくからね。
一つ言っとくけれどそのコートは貴女が使いなさい旅をするなら良い代物だよ」
結局シノは何も出来ずに帰って来た
「あら早かったね」
師匠が出て来た
「師匠・・・ボクは旅に出たいです。今まで死ぬほど練習をして来たので。このコートも貰ったんです行きたいです!」
師匠は・・・
「甘ったれるな!と言いたいですがまあ良いでしょう
私もその言葉を待ってたんですよ」
シノが驚き「じゃあ良いんですか!?」
師匠はじらして
「駄目とは言ってませんよ」
と言いつつ
「行ってらっしゃいその代わり途中でやめる様では駄目ですよ」
「では行ってきます」旅支度を終えたシノが言う
「頑張って」
シノが行くのを見送って師匠は
「最初見たとき旅人になれると思ったけど私みたいにならなければ良いけど」
・・・・・・・・
シノはこれから世界への旅へと行く
完