「うわ。なんやボケぇ。めちゃめちゃ揺れてるやんけ。吐きそー!」
松本もスズさんも目がくるくる回った。ただ、スズさんはすでに意識不明なので、松本の汗だく坊主頭を踏ん付けたりしてる。
「こらボケぇ、てめえ。なにさらしとんじゃ。痛い、痛い。蹴るな、蹴るな。わしゃ、サッカーボールかいっ! うおぉぉぉぉぉぉぉ……」
空中庭園はただひたすらに無意味な回転を繰り返していた。
「おとーさん。僕、タコ坊主が食べたいよぅ。取ってぇ」
「くそぅ。速すぎて取られへん!」
「うぇーん。タコ坊主が食べたいよぅ。タコ坊主が食べたいよぅ。