サンタクロースを迎えに行く途中、トナカイは事故にあい、死亡した。サンタクロースは、何食わぬ顔で、空飛ぶバイクでプレゼントを配り始めた。
3日連続でこんな夢を見た。僕はひどく寂しくなり枕を強く抱いた。
普段通りに午前二時に起き、支度を始める。今日は寒いと昨日の天気予報で言ってた事を思いだし、一枚多く着込んだ。青光したバイクに乗り仕事場に向かう。北風が僕の体をおす。冷気に体を覆われ眠気も薄れていく。今日の朝は気持ちがいい。
もう京佐は来ていた。大きな背中をこちらに向け、仕事の準備をしていた。僕は少し大きな声で「おはよ」と、言い僕も準備を始めた。
チラシを新聞に入れている途中で、さっき見た夢を思いだし、京佐に言いたくなった。京佐はもう新聞をバイクに積んでいるところだった。
「今朝、夢見たんだ。サンタクロースの夢でさ、トナカイがサンタクロースを迎えに行く途中で、事故にあい死んだんだ。サンタクロースにとってトナカイって大事だろ?それなのにサンタクロースは何食わぬ顔で、空飛ぶバイクで、プレゼントを配り始めたんだ。こんな夢なんだけど、京佐、どう思う?」少しの間京佐は考え、ぼそっと「別にいいんじゃない」と、一言。僕は、「そっか」と言い、仕事に戻った。
今日は日曜日なので、チラシは厚い。バイクに載せ、エンジンをかけ、夜中の東京にバイク出した。