消えない過去

ニャオ  2006-12-06投稿
閲覧数[682] 良い投票[0] 悪い投票[0]

日曜日の遅い朝、俺は子供にせがまれて近所の狭い公園まで散歩に出た。
週末、ゴルフが無い限り休みの日は子供の相手と決まっている。
暖かい日差しを感じながら、のんびりとベンチに座って、子供を砂場で遊ばせていた。
遠くで聞こえる子供達の声、心地よい風、かる〜く息を吐く・・・。
これが幸せというものなのだろうか・・・?
他人から見ると、俺は良い父親に見えることだろう。しかし俺には周りの誰にも話してない「秘密」が三つある。
特に、妻には口が裂けても絶対に言えない「秘密」である。
ブランコに移動して遊んでいる子供をぼ〜っと見ていると、公園を横切る若い男が目に飛び込んできた。
少し乱れた茶髪のロン毛、黒いスーツを着た若い男が、公園の水をがぶ飲みし始めた。
「こんな時間に、この場所は、コイツには似合わないな。」と、思った。
二日酔いなのか、足取りもおぼつかない。
・・・こいつ『ホスト』か?
少し、俺の話をしよう。
俺は北陸の田舎で育った。地元の小・中学校、普通の高校に通い、毎日飽きもせずサッカーボールを追いかけていた。
田舎では、そこそこの不良もやったし、名前も町では多少は知れていた。
夏は海水浴場のバイトで、女の子の客を毎日ナンパしまくっていた。
どういう訳か俺は見かけよりウケが良い
女の子だけではなく、年寄りや子供からも好かれる。この夏の美味しいバイト・・・。
ナンパして知り合った年上の女達に男として色んなテクを教わった。
バイト代は、遊ぶのに全部使ってしまったが、思い出すだけでも楽しい高校生活だった。
多分ナンパしてやった女は、卒業までに50人はくだらないだろう。
相手の年は16歳から23歳くらまでかな〜。
この話は後日・・・ゆっくりしたいと思う。
高校を卒業してから、俺はデザインの専門学生として上京した。
あこがれの東京。
色んな夢を描いていた。
しかし、学校は朝からずっと授業だし、宿題は多いし、専門知識は難しい。
それでもどうにかして、時間とお小遣いを作っては週末にはディスコで遊んでいた。
仕送りだけでは、あっという間に遊ぶ金が無くなってしまう。
「バイトをするしかないか」と、ナンパ友達と話しあった。
新宿、池袋、渋谷などを候補に、いろんな場所でバイトを探した。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ニャオ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ