原田「あっ」
夏希「ん?」
原田「…携帯…教えて欲しい…ナ…なんて…」
消えそうなか弱い声。後半はほとんど聞き取れない。
ナツキは無言のまま、鞄を開け手を動かす。
原田「あ…あつかましいね…ごめん。やっぱいい」
原田が話終える前に、ナツキが手を差し出した。
夏希「はい!ナツキのケー番とアドレスだよ☆原田クンのはメールしてね♪」
動き出せない原田の手に紙を持たせると、ニコッと微笑み軽く手を振ると、その場から立ち去った。
ナツキが校門に差し掛かる。
真也「おっつかれー」
洋治「いつもより長かったんぢゃん!?」
研二「けっこー粘ったよねぇ、無理なのに…」
夏希「ん?」
真也「ナツキさぁ…そろそろ公表したほうがいんぢゃね?」
洋治「だよねぇ。コレ以上、犠牲者出るのも…」
夏希「ぎ…犠牲者って!!」
研二「だよねぇ。なっちゃんには分かんないカモだけど、ヘコむよー」
真也「俺らも犠牲者かっ分かるなぁ気持ちがっ…」
夏希「ちょっ!皆待ってよ!!別に隠してなんてナイよっっ」
研二「アレだよねぇ。相手誰も知らないんぢゃ、断る口実にしか思えんしぃー…」
夏希「んーっってか!今の…振ってないしぃ!」
洋治「はっ?どゆコト?」
真也「コラッ!二股かよっどうせ二股かけんなら俺にしろよぉナツキぃ→」
洋治「えぇ→っナッちゃんひでぇ。俺、こんなにつくしてんのにぃ」
夏希「違うって!告られてないし」
研二「はっ?アイツ何しにきたん?」
夏希「友達…友達になろって!だから、いいよって」
洋治「ナッちゃん。そりゃ振ってやったほうがまだ良かったよ。」
夏希「え?」
真也「ナツキはさぁ、男心ってのが分かってなさすぎっつーのっ」
夏希「何で?友達だよ?彼氏ぢゃないよ?」
ナツキの言葉に3人揃ってため息をつく…