冬の訪れを告げる冷たい風が君の髪をなひがせて。
並んで映る電車の窓越しにみた空は、青い雲と共に静かな時を刻む。
君の好きなこの道はすっかり白く染まってて、水の流れる音だけが二人の時間を埋めていた。
君の好きな季節は花咲きみだれし春。あと何回この桜を見れるだろうと、つぶやく君の横顔を、僕は今も好きにはなれないよ。
川沿いの桜が一つつぼみをつけた頃。僕は一人で空を見ていた。この手に感じたぬくもりを、まだかすかに覚えている。もうすぐ春が来ます。
こっちはまだまだ寒いけれど。天国はもう春ですか?そっちの桜は綺麗なのかな。俺がそっちにいけるまで、一緒にここで桜を見よう。小さくてか弱いけれど、こっちの桜はきっと綺麗に咲くだろう。君の命をもらった桜なんだから