頼ったカードが出したのは、まさに縁起の悪いモノ。
タロットの奇跡。 4
「死神、デスか」
「こんな所で、つまらない駄洒落を言わないでください。」
駄洒落のつもりは無いのだが、妙に悲しいのはどうしてだろうか。
俺はあー、と唸りながら、髪をぼりぼりかいた。
鏡が死神のカードをしまおうとした瞬間、
「ちょっと待て!待ってくれ!」
という声。
「・・・男の声でしたが、光一君なにか言いました?」
「言ってねぇよ。」
辺りを見回してみるが、声の主は見当たらない。
また声がした。下から。
「お前等どこみてんだよ!こっちだよ、こっち!」
足元を見てみると、茶色い布を纏い、血のついた鎌を持っているガイコツが1人。いや、1骨。
俺と鏡はガイコツの目線になるようにしゃがんだ。
「うわ、死神」
「のようですね。どこから出てきましたか?」
ガイコツ―改め死神は、鏡が持っているタロットを指差した。
死神のカードを見てみると、あら不思議。
いるはずの死神が、存在していない。
「お前、どうやって出てきた。
「気づいたらここにいました。おれ以外にも、ワンオラクルで引き抜けば出てきますよ。でも、1度に2体召喚できませんからね」
妙に詳しい。
死神が持っていた鎌をとん、と地面につけた。
その瞬間、霧が消え始めた。
現れたのは、和洋がごっちゃになってる、
「墓地!」
「墓地ですね。お卒塔婆と十字架が一緒になってます」