「ここは一体どこなんだ?」
ひとまず茶を飲んで落ち着いた俺は隣でみたらし団子を幸せそうに食べているフロンに尋ねた。
「ここはですねぇ……。簡単に言うと『裏』の日本です」
「は……?う、裏?ってどういうこと?」
俺の問いに対し「う〜ん」と頭を左右に傾けながら考えている様子のフロン。
「え〜と。つまり、一馬さんが今まで居た世界が表の日本なんです。で、こっちは裏の日本。通称『ジパング』なんです」
フロンは分かりやすく説明したつもりだろうが俺には全く意味が分からない。
つまり、ここは俺の知ってる日本じゃないってことなのか?
俺が困惑している様子に気付いたらしいフロンは、突然、上を指差し、言った。
「上を見てください。その方が口で説明するより早いです」
真剣で、なおかつ力強い表情のフロンの言葉に促され、素直に上を向いてみる俺。
「……え?え、えぇ!?な、何あれ!?」
そこには驚くべき光景が広がっていたのであった。