すると飛希は冬夜の頬を平手で叩き、涙をポロポロこぼしながら、「バカッ!私…本当に知らない人と婚約させられるかと…──!冬夜にもう会えないかと思って…ッ!なによッ!冬夜の嘘つき…!大嘘つきッ!」と叫んだ。
冬夜はそんな飛希の顔にそっと手を触れると、「ごめん…。君の父さんへの愛情を利用したんだ…。ごめん…。嘘ついてごめん…。騙してごめん…。もう二度と嘘はつかないから…──。」と囁き、ゆっくりと唇を重ねてきた。
飛希はその唇を受け入れ、唇が離れると、「…婚約…成立だよね…?」と呟き、そのまま事切れたかのように眠ってしまった。
冬夜はそんな飛希をベッドに運ぶと、寝顔を見つめながら「約束するよ…。君を幸せにする…。ずっとずっと大切にするよ…。僕の…愛しい人…──。」と囁き、眠っている飛希の唇に再びキスをしたのだった。