「ぅ…ん」
そう言うとしゅんいちは私を抱きしめたまま力無くじゃがみこんだ。
「しゅんいち!!!お前ら大丈夫か!!?」
4・5人のしゅんいちの先輩達が駆け寄ってきた。
後から聞けば、たまたまその日朝練をしていて一部始終を見ていたらしい。
「はい…俺は何ともないです。」
私はまだ混乱していて人が集まれば集まるほど何が何だか解らなくなった。
「みんな、どきなさい!!!」
先生の声が遠くに聞こえた。私は1人保健室に運ばれた。
落ち着きを取り戻した私に先生は「疲れたでしょう?」と冷たい麦茶を私の頬に当てた。思わず「はぁー…」とため息をついて麦茶を飲み干した。
「先生…しゅんは大丈夫だったの?ケガしてない?」
不安げな顔をする私を見て思い出すように先生は笑って言った。
「ケガどころかかずちゃんの事離してくれないんだもん!!男3人がかりでやっと離せたんだから。笑 今も部活に行ってるよ!」
「そっかぁ〜。」
自然と笑顔になった。本当に無事でよかった。
「先生ありがと!もぉ大丈夫だから行くね。」
私はベッドから飛び降りてカバン片手に保健室を出た。
1秒でも早くしゅんいちに会いたくて…。