『はじめまして、教官の吉原 美奈子(よしはら みなこ)です』
(えっ、誰?)
『まず第一段階の出会いの学科を受けてもらいます』
『えっ、ちょっと待って下さい、ここはどこですか?』 俺は意味が全く分からなかった。
『ここは恋愛教習所の出会いの公園です。仮想世界です。松下さんの体は個室で眠っていますよ』
(仮想世界??)
『では講習を始めます』
そういって教官は俺の横に座った。それはまるでカップルがデートしてるみたいに見えた。 不思議な事にこの公園には人がいる気配がしない。この世で俺とこの教官しかいない世界みたいだ…。
『出会いというのは必ず誰にもあります。その出会いを生かすかはあなた次第です。出会いにとって一番大事なのは第一印象です。最初の10秒ぐらいでお互いの印象がほぼ決まります。だから、はじめに会う時は大事ですよ。ただ、はじめの印象が悪くても2回目以降に会って本当はこんな人だったんだとか良い印象を与えれば大丈夫です。逆もありますけどね』
(教習ってこんな感じで進んで行くのか?)
俺は訳のわからない所に来たなと少し後悔した。
続