ココで負けたら
今までのみんなの戦いは無駄になる。
啓吾の頭の中をその言葉が何回も繰り返されていた。怜も同じだった。そして村人が持っている刃物が啓吾たちに刺さろうとしていたときだった。
「何だと・・・何処からそんな力が」
晶はその光景に驚いていた。啓吾と怜は刃物を持っている村人の腕をつかんでいたのだ。
「いくぞ」
怜は小さく頷いた。そして、2人は次々と村人たちを気絶させていった。
「何故だ。動けないような傷を負っているのに・・・、何故あんなに・・・」
晶は一歩後ずさった。そして、村人達が全員床に倒れたとき、2人が晶を見る目が変わった。
『負けたら許さねぇかんな!』
『勝たねぇとしょちしねぇぞ』
『頼んだよ。2人とも』
今までかけられた声が蘇ってくる。それが2人の力になる。啓吾は、右手を構えてラピッド・フィストを放った。そして、怜はそれと同時に電気を放った。2つは重なりながら晶の方へ向かっていく。
「うわぁぁぁっ!!」
晶にはそれは避けられなかった。そして、それは晶の体に当たった。それと同時に、煙が舞った。