ボールを蹴る音を聞きながら私は走った。
やっぱりしゅんいちはみんなが帰った後も1人練習をしていた。
私はそれを座って見ていた。
〓20分後〓
ようやく納得いったのか、しゅんいちは練習をやめてやっと私に気付いた。
「…居たなら「素敵☆頑張って!!」とか言えよなぁ!」
「とっても素敵でしたよ☆ポストに当ててるところとか。笑」
「変なとこばっか見んなよ〜」と恥ずかしそうにため息をつきながらしゃがみ込んだ。..少し間を空けてしゅんいちがしゃがんだまま私を見上げて言う。
「…お前。その…大丈夫なのかよ?どっか痛くねーか?」
「平気☆・・・ありがとね…何ていうか・・色々…ぅん。」
何だか思い出してしまってつい「あ!でも!!パニクってて…あんまり覚えてないんだけどね。笑」・・・ちゃんと笑って言い訳できてるだろうか…
「あーぁ…そっかッッ。笑」
照れているようにも、残念そうにも見えたその表情は私の何とも言えない感情を駆り立てた。
「今着替えてくっから、チョット待ってろよ。」
私が頷くとしゅんいちは部室に消えた。
夕暮れの空は私のココロのように紅く染まっていた。