つまり柚木と慎は生い立ちも生活状況も正反対であるわけだ。そんな二人がこの二月の終りに出会ったわけである。社長の挨拶が終ると大きな声で村瀬慎の名前が呼ばれた。周りはざわつき慎への興味で皆が慎に視線を送る。慎はきりっとした顔で舞台に上がり、先ずは一例をして話始めた。 本日より埼玉支店に入社しました村瀬慎です。私はこの会社を今以上に従業員の皆様が働きやすい環境で有るよう精一杯頑張ります そして弊社を御利用して下さるお客様の為にも新たなサービスを追求し、一人でも多くの人々がこの会社を選んで良かったと必ず思えるような会社を作ります 皆様も自分の可能性を諦めず村瀬慎に力を貸して下さい、一緒に頑張りましょう大きな張りのある声と自信に満ち溢れた慎の挨拶に開場は拍手で盛り上がりいつまでもやむことはなかった柚木は更に言葉を失いただただ慎を見つめていた。 そして開場の時計が夜の19時を回る頃運行管理課の係長である若林孝夫36歳が大きな声で皆に言った。これから会食会があるので班事に今から言う場所まで集合するように、各班の係長は指示をして下さい。昨日柚木は公休だった為今日の事は知らされていなかった
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