「えっ?バレた?」
あの人からの返信だった。
「いや、違う。話があるって」
「そか、そか…。残念だけど、今日はナシで」
僕もあの人に会えないのは淋しかった。
旅行から帰って来てからのあの人は、アシストにつく部下が急病で、休みが取れずにいた。
そのせいで、僕らはなかなか会えずにいた。
彼女と会うには、気が重かった。彼女の部屋に行くと、「会いたかった」と彼女に泣かれた。
「別れたくない。」
「結婚が早いと思うなら、もう少し考えてもいいから。」と彼女は必死に訴えた。
とりあえず、わかったと、何に返事をしたのかわからない答えを残し、彼女の部屋を出た。
あの人に電話したが、出なかった。もう、寝たのかも…。
今日はすみませんでした。とメールした。
次の日も、あの人からのメールはなかった。
ドタキャンを怒っているのか…。俺の気も知らずにと、少し苛立った。
「空いてる日、教えて下さい。昨日の埋め合わせします。」
「来週の火曜日は?」
「了解しました」
やっぱり、怒っていたらしい…。一気にあの人への思いも冷めていく感じがした。