週末彼女が家に来て一緒にテレビを見ていると、彼女の両親から、連絡があった。
この前も結局みやげを渡しに行けずにいた事を向こうのお母さんが心配していた。
「行くって、伝えて。」
電話している彼女に僕から返事した。
彼女に淋しい思いをさせてしまったつぐないと、あの人の態度に対する当てつけめいた気持ちもあり、僕はそう返事した。
が、バチが当たった…。
家に着くと彼女の父から、僕達の結婚を迫られた。
「真剣な付き合いでないなら、君から別れてやって欲しい。八年も付き合ってけじめを付けてくれないか。」もぅ、逃げられなかった。
火曜日、あの人と会った。言わなければと思う程に心苦しかった。
あの人は、楽しそうに年末のサザンの年越しLIVEのチケットが当たったとはしゃいでいた。
最近どこのテレビでも取り上げている手品を練習し、僕に見せては喜んでいた。
言えない。
あの人が好きだ。誰よりも…。
結局、何も言えないままに夜は更けて、冬の暗い朝が明けようとした。
腕枕してるあの人は、僕の腕を甘がみしては、クスクス楽しんでいる。
「僕、結婚するんです」
言ってしまった。