それが良いものか、悪いものかなんてわからないけれど、どこかにそれを見つけようとしている。
よくわからないマフラー、映画館のポップコーン、電車の中。
僕はたまに、そのカケラを見つける。
でも、それらが僕に与えてくれるのは、かつての空気ではなく、現実の感覚だ。
明日は朝早く起きなければならないし、やらなくてはいけない事も山ほどある。
そういうことだ。
過去に対して希望を持ったって、そこには何の救いもないのかもしれない。
このことに関していえば、希望は希望ではないのだ。
そういった事を全て承知の上で、僕は今日も日常の中に思い出を捜し求める。