『あれ・・・?俺は・・・死んだんじゃ無いのか?』
気が付くと誠は廊下に立っていた。化け物も目の前にいる。しかし3つおかしいことがあった。
1つは体の自由がきかない事。
何故か化け物の右腕が無くなっている事。
そして腹の傷がいつの間にか治癒している事だ。
『何だ!?どうなっているんだ・・・訳のわからない。』
そして誠の体は勝手に化け物に向かって走り始めた。 『おいおいオイ!!どうなってんだよ。体が勝手に動くぞ!?』
化け物は左フックを打ってきたが…
ズシャアァアァァ!!
誠は素手で化け物の腕を切り飛ばして化け物の肩を掴んだ。その時誠の目に写ったのは化け物と同じ濁った褐色の肌、そして鋭い爪を持った自分の腕だった。
そして誠は爪を首に刺し込み、首を引きちぎった・・・・・・・・・・
「ひゃはっはっは殺ったぜ殺った。引きちぎったぜ!!ヒャハッハッハ!!」
そう高笑いすると誠は化け物の死体を見た。
そしてたちまち化け物の死体は首無しの女の死体となった。
「ホウ、タベガイノアルオンナダサテトハジメハヤッパリレバーカラダナ。」
最早、人間原田誠の姿はそこには無い。そして間もなく生き絶えるであろう彼の人間の人格は心の中でこう最期に呟いた。
『助けて・・・』