「中川則子、十七歳、県立R高校二−B在籍を『人身事故』で処理します」
「えっ?」
振り返ってみたが、そこにはスーツを着た中年男性二人と若いOLしかいなかった。
今の声は、そう、クロサキフエタ、くろさきふえた、Kurosaki Fueta 黒咲笛太のモノだ。
しかし、辺りを見回してみても彼の姿はない。
「気のせいか」と思い、列車に向かって歩き出した。
刹那――
キィイイイイイという耳をつんざくような列車の急ブレーキ音と、人々の声にもならない悲鳴が聞こえた。
体がゆっくりと地面に吸い寄せられる。 列車がものすごいスピードで近づいてくる。
運転手の動揺した顔が見えたと思ったら、私の体は鋭利な車輪でこっぱみじんに引き裂かれた。
XXXXXXXXXXXXX
―続く―