僕は「Merry Christmas」と言われる度に、あの人を思い出す。
あの時の僕達をそっと思い出す。
あの人の最後のメールの言葉だった。
僕達二人にしか分からないMerry Christmas。
「どうしてる?大丈夫ですか?」
朝から何度もメールするが、返事はなかった。
「はぁ…」
言うんじゃなかったと後悔していた。
会って話そう。いや、僕が会いたい。
一人で、あぁでもないこぅでもないと考えていると、ピッピッとメールが鳴った。
あの人からのメールだ。
「私はあなたといる時が一番私らしくなれました。楽しくて、うれしくて、彼女がいる事いつか終わる事など考える余裕もなかった。私は、あなたの仕事をする姿が大好きでした。だから、あなたが異動だと言われた時、何も力になれなかった事が苦しかった。新しい場所でお互い頑張りましょう。応援しています。
PS.少し早いけどMerry Christmas
涙が止まらなかった。僕から振ったのに、振られた時より傷ついた。自分がどれだけあの人を好きだったか。そんな気持ちを偽って、あの人を簡単に切り捨てた自分を責めた。もぅ、取り戻せない。あの人を傷つけてしまった。