はぁ……。数学かぁ…。
「頑張ってね、数学☆あたし今日はバイトだから先に帰るけど…。」
「ママ〜。」
思わずママの腕にしがみつく。
―放課後。
「山本先生〜。来ました。」
ふてくされた顔で先生の所に行く。
「おお、先に自習室行っとけ。」
「は―い。」
「あ、それと。」
「はい?」
「このノート、蹴斗ってに渡しといて。知ってるだろ?蹴斗。」
ッ!!!!!
「に、西井君ですか!?」
思わず職員室で叫んじゃう。
「に……に、西井君て、あの西井君ですか!?」
「どの西井だよ…。選択肢は3つ。1、サッカー部のキャプテンの西井蹴斗。2、お前が今朝見つからない様に廊下ですれ違った西井蹴斗。3、お前が現在片想い中の大好きな西井蹴斗。」
先生がニヤニヤしながら言う。
「なっ!?先生知ってたんですか!!」
「解るよ。お前おもしろいぐらいわかりやすいから。」