雨が好きな人もいる。私は雨が降ると心に平穏ではなく、心に高揚さを持つ。父との想い出が雨音と共に私の中に蘇るから。
父の仕事は雨になると仕事にならないらしく臨時休暇をもらう形になった。母は生活が苦しくなるわと、眉間にしわをよせ困ってはいたが、私にとっては父が遊んでくれる唯一の日になるので雨は天からの贈り物だった。父は様々な所に連れて行ってくれた、一つ一つは思い出せないが、なんとなく憶えている。それは動物園であったり公園であったりするので、私の知っている物は雨の印象が多い。それでも父はいつも決まりの悪そうな顔していた。「雨の公園楽しいか?雨の時しか来れなくてごめんな。」「ううん。すごく楽しいよ。」「そうか。」私は父といれるだけでよかったのだから。
明日から雨が続くらしい。テレビでは嫌な天気が続くと言っているが、私にとっては父との思い出に触れる日が続く。