再び来た、僕が最も行きたくない場所。ゼルの話によれば、ここに神器がある。何となく嫌な予感がした。「誰だ、貴様?」
門番だ、どうやら僕の事を忘れてる。
「零だ。」
すると、表情が険しくなった。
「何のつもりだ。」
嘘を言う必要はない。
「司令官に会わせろ。」
奥から人影が見える。
「まさか、君から来るとはね、歓迎するよ。」
笑い顔が警戒心を強める。「場所が悪い、零の目的は解ってる。」
「・・・やはりか・・・。」
コンクリートで固められた平地、罠はない。
「私はこれを手にしてから大変な目にあった。」
メリケンサックの形をした物を作り出す。
「吸血の神器、
[エターナルブラッド]の代償が原因で血が欲しく・・・いや、吸血をしなければ生きれない体になった。」
「代償の事について何か知ってるのか。」
ただ軽く頷く。
「神器の名前が関係している。」
「アポカリプスについて何か知っているか?」
「運命の槍だ。使用者に本来ない運命を持たせる。良くも悪くもだ。」
「詳しいな。」
「多少だがね。」
無言で僕は突き刺した。
「・・・まるで悪魔ですね、あなたは。」
返り血が顔に降り懸かる。「神器は貰っていく。」
エデンに行くのが僕の運命だろうか。ただ、前の生活に戻る事は出来ないのだろうか。逃げ出したくなる。助けてほしい、僕の心にある深い傷、癒える事はないだろう。僕は何処を歩いてる?
「零・・・君・・・。」
遥が僕を見ている。どうやら帰ってきてしまったようだ。