それからしばらく経つと元野球部仲間だった親友の稲葉賢一が呼び止めた。
「お前、昼休みに女子と話し手だろう?聞くつもりはなかったけど聞こえたんだ。」俺は稲葉が言った事に驚きを隠せなかった。
放課後、俺は夕陽を眺めていた。稲葉が俺に言ったのは、あの女子は病気で右足を負傷してしまってもうマウンドにあがれなかったのだった。
「俺は自分の事しか考えてなかった…。」
俺はポケットから1枚の紙を出した。これはさっき、稲葉が教えてくれた女子の名前とクラスの書かれた紙だった。
1年2組、日下部颯希(サツキ)